証券会社の申込画面に「総合口座」「特定口座」「一般口座」「NISA口座」が並ぶ。全部開くのか、どれか1つを選ぶのか、そもそも何が違うのか。ここで手が止まります。
この4つは並列ではありません。入れ子になっています。関係が分かれば、申込画面で迷う時間はなくなります。
※本記事は制度の一般的な整理です。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も行っていません。特定の商品や金融機関をすすめるものではありません。投資には元本を毀損する可能性があり、取引には手数料がかかります。税制は改正されることがあるため、最新の内容は国税庁および金融庁、各社の公式情報でご確認ください。
入れ子の関係
いちばん外側にあるのが総合口座です。証券会社との取引全体の入れ物で、これがないと何も始まりません。「普通口座」と呼ばれることもありますが、正式には総合口座です。
その中に、課税される取引を扱う口座が入ります。ここが特定口座か一般口座かの選択です。どちらか一方を使うのが通常で、特定口座を選ぶ人が多数です。
さらに横に、非課税で投資できるNISA口座が置けます。NISAは1人1つ、1つの金融機関でしか開けません。
まとめるとこうなります。
| 口座 | 位置づけ | 選択の性質 |
|---|---|---|
| 総合口座 | 全体の入れ物 | 必ず開く |
| 特定口座 | 課税取引の管理を証券会社に任せる | 一般口座との二択 |
| 一般口座 | 課税取引を自分で管理する | 特定口座との二択 |
| NISA口座 | 非課税枠での投資 | 開くかどうかは任意、1人1つ |
申込画面で「総合口座開設」にチェックし、その中で「特定口座を開設する」「NISA口座を同時に申し込む」と枝分かれしていく。この構造です。
「預かり区分」という言葉
口座を開いて取引を始めると、画面に「特定預かり」「一般預かり」「NISA預かり」という表示が出てきます。
これは、買った商品がどの口座で管理されているかを示すものです。同じ銘柄でも、特定預かりで買った分とNISA預かりで買った分は別々に管理され、税金の扱いも違います。
注文画面では、買うときにどの区分にするかを選びます。NISAの枠を使いたいのに特定預かりで注文してしまう、という間違いがここで起きます。注文の確認画面で、区分の欄を必ず見てください。
保有している商品の預かり区分を、あとから移すことは原則できません。NISA枠で買い直したいなら、いったん売却して買い直す形になり、その際に課税や枠の消費が生じます。
「納税方法の選択」は源泉徴収の有無
申込画面に「納税方法の選択」という項目が出てくることがあります。これは特定口座の中身の話で、源泉徴収をするかどうかの選択です。
源泉徴収あり。売却して利益が出るたびに、証券会社が税金を差し引いて納めます。年間の損益計算も証券会社が行い、条件を満たせば確定申告が不要になります。
源泉徴収なし。税金は差し引かれません。年末に届く年間取引報告書をもとに、自分で確定申告します。
どちらを選ぶかの判断材料は特定口座と一般口座の違いにまとめました。迷う場面が多いのは、扶養に入っている人や、他の所得との関係を見たい人です。
あとから変えられるもの、変えにくいもの
源泉徴収あり・なしの切り替えは、その年に一度も売却や配当の受け入れがなければ変更できます。年の途中で取引を始めたあとは、翌年からの切り替えになるのが通常です。
特定口座と一般口座の切り替えもできますが、すでに保有している商品の預かり区分は自動では移りません。
NISA口座の金融機関変更は年単位で、その年に買付をしていると翌年からになります。手順はNISA口座の金融機関を変更する手順に書きました。
つまり、申込時に決めた内容のうち、口座の種類まわりは「開設後に気軽に変えるもの」ではありません。申し込む前に決めておくべき項目です。
申込前に決める2つ
特定口座にするか、一般口座にするか。ほとんどの人は特定口座を選びます。自分で年間の損益を計算する手間がなくなるためです。
源泉徴収をありにするか、なしにするか。確定申告を避けたいなら「あり」、他の所得との兼ね合いで自分で申告したいなら「なし」。
NISAを使うかどうかは、同時に申し込めますが、後から追加することもできます。制度の中身はNISAの基本に。
この2つを決めてから申込画面を開けば、あとは書類を出すだけです。全体の流れは証券口座の開設手順と必要書類に、審査で止まる理由は証券口座の開設審査は何を見るかにまとめています。
投資には元本を毀損する可能性があります。税制は改正されることがあるため、最新の内容は国税庁および各社の公式サイトでご確認ください。個別の税務判断は税理士などの専門家にご相談ください。