「まず辞めてから、じっくり探そう」

その判断は、たいてい高くつきます。収入が途切れると、思っている以上に早く焦りが出てくるからです。

在職中のほうが強い立場でいられる

理由は単純で、断れるからです。「決まらなければ現職に残る」という選択肢が手元にあると、条件を妥協せずに済みます。年収交渉でもこの立場が効いてきます。

収入が途切れないこと、経歴に空白ができないことも大きい。退職後は時間の自由が利く反面、経済的な焦りが判断を曇らせます。貯蓄と失業給付の条件を確認したうえでなければ、先に辞めるのは勧められません。

問題は時間の作り方です。在職中に転職活動を進めるとき、面接の日程、有給の使い方、現職への配慮の3つさえ段取りできれば、働きながらでも回ります。

オンライン面接を軸に組む

移動時間がゼロになるだけで、確保すべき時間が半分以下になります。昼休みや終業直後に1時間だけ、という組み方ができるのはオンラインならでは。

一次はオンライン、最終だけ対面という企業も多いので、日程調整の段階でオンライン可否を確認してください。エージェント経由ならまとめて聞いてもらえます。

使える時間枠は、始業前(企業側が対応可なら)、昼休み(1時間枠だと押したときに危険)、終業後(残業が読めない職場だとリスク)、半休、時間単位の有給。

有給の理由を会社に説明する義務はありません。「私用のため」で足ります。尋ねられても詳細を答える必要はない、と覚えておいてください。

半休を取るなら、その日に2〜3社を詰め込む。オンラインなら午前2社、午後1社も可能です。休みを取る回数が減るほど、職場で目立ちません。

バレる原因は、ほぼ自分側にある

エージェントや応募先から現職へ連絡が行くことは、通常ありません。リスクの大半はこちらの管理です。

会社のPC・スマホ・メールアドレスを使わない。履歴やファイルが残ります。会社のWi-Fiで転職サイトを見ない。通信ログが取られている場合があります。

スカウトサービスには「特定企業に自分の情報を公開しない」設定があるので、登録直後に現職をブロックしてください。これを忘れると、社内の人事が自分のレジュメを見ることになります。

あとは社内で通話しないこと。休憩室や階段は思ったより声が通ります。業務時間中に転職関連の投稿をしないこと。

服装も見落としがちです。普段カジュアルな職場で面接の日だけスーツを着ると目立ちます。オンラインなら上半身だけ替える、対面なら着替えを持参して外で替える。

3〜6か月を見ておく

時期やること
1か月目職務経歴書の準備、エージェント面談、求人の把握
2〜3か月目応募と選考。並行して5〜10社程度
3〜4か月目内定・条件交渉・承諾
4〜6か月目退職交渉、引き継ぎ、入社

急ぐほど選択肢は減ります。「良い求人があれば」というスタンスで始めて、動くと決めたら集中する。これが在職中の現実的なやり方です。

準備段階は職務経歴書の書き方と初回面談の準備にまとめました。

退職を切り出すのは、承諾したあと

承諾前に退職を伝えると、選考が不調に終わったときに戻る場所がなくなります。順序を守ってください。

内定を承諾する。直属の上司に口頭で伝える(いきなり退職届は避ける)。退職日を相談して決める。退職届を提出する。引き継ぎ資料を作って後任へ渡す。

そして就業規則を先に確認。退職の申し出は民法上「2週間前まで」とされていますが、就業規則では1〜2か月前と定めている会社が多い。入社日を確定させる前にここを見ないと、あとで再交渉が必要になります。

慰留も珍しくありません。「待遇を改善するから残ってほしい」と言われることもあります。判断は自由ですが、転職理由が待遇以外にあるなら、条件を上げても元の不満は解消しません。何が理由で動いたのかを、切り出す前に整理しておくと迷わずに済みます。

切り出したあとの流れ(上司への伝え方、引き止めへの返し方、有給の扱い)は退職交渉の進め方に分けて書きました。

エージェントには最初に伝えておく

在職中であることを初回面談で言っておくと、運用が変わります。連絡をメール中心にしてもらう。電話は事前にメールで時間を指定してもらう。面接日程を特定の曜日・時間帯に寄せてもらう。

これは当然の要望です。それでも日中に電話が続くようなら、担当変更を申し出る場面になります。


働きながらでも、段取りさえ決まっていれば無理なく進みます。まずは職務経歴書の叩き台を作って、面談を1本入れるところから。そこで市場を知ってから、本気で動くかを決めればいい話です。

▼在職中でも面談はオンラインで1時間から。IT領域の特化型の一例(PR)

TechGO(テックゴー)ハイクラスに届くエンジニア転職