エージェントの初回面談で「他にも登録されていますか」と聞かれた。伝えると担当者の熱が下がりそうで、黙っておくと後で面倒になりそう。どちらが正解なのか。

伝えるのが正解です。ここでは伝えたほうがよい理由と、伝え方、複数登録で起きる重複応募の避け方、内定が出たときの連絡の順番を整理します。エージェントを何社使うかの考え方は転職サイトと転職エージェントの違いの「併用」の節に書きました。

伝えたほうがよい理由

担当者は、複数登録が普通であることを知っています。隠されて困るのは担当者のほうで、隠す側にメリットはありません。

伝えておくと、こうなります。同じ求人を紹介される前に「その企業は別経路で応募済み」と共有でき、重複応募を避けられる。面接の日程が他社経由の選考と重ならないよう調整してもらえる。担当者が「この人は他社でも動いている」と分かれば、紹介の速度と精度を上げようとする。

熱が下がる担当者もいますが、それはその担当者の問題で、あなたの問題ではありません。複数登録を伝えて対応が悪くなるなら、その会社をメインにしないという判断材料が1つ増えたことになります。

伝え方の例文

初回面談で聞かれたとき。

「はい、他に2社登録しています。同じ求人を重複して応募しないように、紹介いただく前に企業名を共有していただけると助かります」

聞かれなかったとき。面談の終わりに自分から言って構いません。

「他社経由で応募している企業が2社あります。◯◯社と△△社です。重複しないよう共有しておきます」

企業名を伝えることに抵抗があるなら、業界と職種だけでも足ります。「同業のメーカーに1社、別経路で応募中です」で、担当者は避けて紹介してくれます。

重複応募を避ける方法

企業は、1人の応募者を1つの経路でしか扱いません。A社のエージェント経由とB社のエージェント経由で同じ企業に応募すると、企業側はどちらの紹介として扱うか決められず、選考が止まることがあります。企業からエージェントへの紹介料をめぐる話でもあるので、両社の担当者にも迷惑がかかります。

避け方はシンプルで、応募した企業を自分で一覧にしておくことです。企業名、応募経路(どのエージェントか、直接応募か)、応募日、選考の段階。この4列の表をスマホのメモでよいので持っておく。

企業経路応募日段階
◯◯製作所A社エージェント9/1一次面接待ち
△△システムズ直接応募9/3書類選考中
□□商事B社エージェント9/4紹介受諾

紹介を受けるたびにこの表を見て、載っている企業なら「別経路で応募済みです」と返す。それだけで重複は起きません。

先に応募していた経路で進めるのが原則です。後から紹介してきた担当者に断りを入れるのは失礼ではなく、むしろ助かる情報です。

担当者ごとの役割を決める

2〜3社に登録したら、全部を同じ使い方にする必要はありません。

総合型の1社には、求人の量と相場観を。特化型の1〜2社には、業界の内情と選考傾向を。面談を受けてみて話の具体性が高かった1社をメインにして、他は紹介を受ける程度にする。役割が決まると、連絡対応の負担が減ります。

メインにしなかった担当者からの連絡が多すぎるなら、「週1回まとめてご連絡いただけますか」と頻度を伝えて構いません。担当者との距離の取り方は転職エージェントの断り方に例文があります。

内定が出たときの連絡の順番

内定を承諾すると決めたら、進行中の選考がある全社に連絡します。順番はこうです。

承諾する企業を紹介したエージェントに、承諾の意思を伝える。ここは担当者が企業との条件確認や入社日の調整を進めます。

選考途中の企業がある他のエージェントには、辞退の意思を伝え、企業への連絡を担当者経由でしてもらう。理由は「他社で内定を承諾したため」で十分です。

紹介を受けただけで応募していない担当者にも、一言入れる。「他社で決まりました。ありがとうございました」。これで登録は残り、次に転職を考えたときに再登録の手間なく相談できます。

黙って連絡を止めるのが一番よくない終わり方です。担当者側には記録が残り、次回の対応に影響することがあります。

隠すより、表を1枚持つ

複数登録は伝える。応募先は表にする。内定が出たら全社に連絡する。この3つを守れば、複数のエージェントを使うことで困る場面はほとんどありません。

今2社以上に登録していて、応募先の一覧がないなら、今日この表を作ってください。次に紹介を受けたときの返事が、その場で決まるようになります。