「レバレッジ25倍」と聞くと、25倍儲かる話に見えます。実際に先に効いてくるのは、25倍の速さで証拠金が減る側です。
言葉を4つ、順番に並べれば全部つながります。
※本記事は仕組みの一般的な整理です。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も行っていません。特定の商品や取引をすすめるものではありません。証拠金取引では、相場の変動により預けた証拠金を上回る損失が生じることがあります。取引には手数料やスプレッド等の費用がかかります。倍率の上限を含む規制や各社の条件は変更されるため、最新の情報は金融庁および各社の公式サイトでご確認ください。
証拠金は担保であって、代金ではない
10万通貨の取引をするとき、その代金の全額を用意するわけではありません。取引額の一部を担保として預ける。これが証拠金です。
代金ではなく担保なので、損益は取引額に対して発生します。ここが混乱しやすいところで、損益の大きさを決めるのは預けた額ではなく、動かしている取引額のほうです。
レバレッジは「かける」ものではなく「結果」
多くの会社では倍率を自分で選ぶわけではありません。数量を決めて発注すると、必要証拠金が計算され、その結果として倍率が決まります。
同じ数量でも、口座に多く入れていれば実質的な倍率は下がる。少なければ上がる。つまり倍率を下げる方法は2つしかありません。数量を減らすか、資金を増やすか。
個人向けの上限は法令で定められていて、対象によって異なります。FXと、株価指数や商品を対象とするCFDでは水準が違う。改正されることがあるので、現在の値は各社の案内で確認してください。
証拠金維持率で口座の状態が見える
取引に必要な証拠金に対して、口座の純資産がどれだけあるか。その割合が証拠金維持率です。
含み損が増えれば純資産が減り、維持率は下がります。含み益なら上がる。口座画面でこの数字だけ見ていれば、余裕があるかどうかは分かります。
| 状態 | 起きること |
|---|---|
| 維持率に余裕がある | そのまま保有できる |
| 一定水準を下回る | マージンコール(追加入金や決済の通知) |
| さらに下回る | ロスカット(強制決済) |
水準の具体的な数値は会社ごとに違います。同じ「維持率100%でロスカット」でも、必要証拠金の計算方法が違えば実際の耐久力は変わるため、自分の口座の条件で見てください。
ロスカットは保険ではない
ここが最も誤解されている部分です。
ロスカットは、維持率が水準を割ったときに自動で決済する仕組みです。損失を一定額で止める保証ではありません。
決済は成り行きで行われるため、相場が連続的に動いていない場面、たとえば週明けの窓開けや、指標発表で価格が飛んだ場面では、想定した価格から離れたところで約定します。その結果、証拠金を超える損失が残ることがある。不足分は追加で入金を求められます。
「最悪でも預けた分がなくなるだけ」ではない。この一点だけは、始める前に受け入れておく必要があります。
数字で追ってみる
証拠金10万円で、必要証拠金が4万円の取引をしていたとします。維持率は250%です。
含み損が2万円出ると、純資産は8万円。維持率は200%に下がります。含み損が6万円なら純資産4万円で、維持率100%。多くの会社ではこのあたりがロスカットの水準です。
つまり預けた10万円のうち6万円が減った時点で、判断の余地なく決済される。入金額に対してどれくらいの含み損で強制決済に届くのかを、始める前に一度計算しておくと、数量の決め方が変わります。
倍率を落とす現実的な方法
数量を減らすのが一番早い。取引単位が小さい会社を選べば、より細かく調整できます。会社選びの観点はFX口座の選び方にまとめました。
もうひとつは、入金額を増やして維持率に余裕を持たせる方法です。ただしこれは口座に置く金額が増えるということでもあります。失っても計画が崩れない範囲を超えてまで入れるなら、数量を減らすほうが理にかなっています。
始める前のチェック
- 証拠金が担保であって代金ではないと理解した
- 自分の口座のロスカット水準を確認した
- いくらの含み損でロスカットに届くか計算した
- ロスカットが損失を限定しないと理解した
- 入金の上限を決めた(失っても生活が崩れない額)