「最後に、何か質問はありますか」
面接の終盤、この一言で頭が真っ白になる。準備していたはずの質問が、面接中に全部答えられてしまっていた——よくある状況です。
逆質問は「気の利いたことを言う場」ではありません。目的が分かれば、準備は10分で済みます。
逆質問で見られていること
面接官が見ているのは2つ。準備の度合いと、入社後をどれだけ具体的に想像しているかです。
事業や職種への理解は、質問の中身に出ます。調べれば分かることを聞けば、調べていないことが伝わる。逆に、公開情報を踏まえたうえで踏み込んだ質問をすれば、それだけで企業研究の深さが伝わります。
つまり逆質問は、最後にもう一度アピールできる時間でもあります。
避けたほうがいい質問
調べれば分かること。事業内容、企業理念、公開されている業績。「御社の主力事業は何ですか」は、その場で評価を下げます。
待遇の話ばかり。給与、残業、休日。聞いてはいけないわけではなく、段階を間違えるとまずい。一次面接で待遇の話に終始すると、仕事内容への関心が薄いと受け取られます。最終面接か、内定後のオファー面談で聞くのが一般的です。
「はい/いいえ」で終わる質問。会話が広がらず、1問で終わってしまいます。
面接官が答えられない質問。現場の担当者に経営方針を聞いても、一般論しか返ってきません。相手の立場に合った質問を選んでください。
段階別の質問例
面接の段階によって、相手も適切な質問も変わります。
一次面接(現場の担当者・若手が多い)
- 入社後の1日の流れを教えていただけますか
- チームの構成と、私が入る場合の役割はどうなりますか
- この職種で活躍している方に共通する点はありますか
- 現在このチームが抱えている課題は何ですか
二次面接(管理職・部門責任者)
- 部署として今期に力を入れていることは何ですか
- 中途入社の方は、どのくらいの期間で戦力になっていますか
- 評価はどのような基準で行われますか
- このポジションに期待する成果を、半年後・1年後で教えてください
最終面接(役員・経営層)
- 今後3年で、事業をどの方向に伸ばしていきたいとお考えですか
- 御社の強みが競合と比べてどこにあるとお考えですか
- 私に期待していただける役割は何でしょうか
どの段階でも使える
- 入社までに準備しておくとよいことはありますか
- 差し支えなければ、面接官ご自身が入社を決めた理由を伺えますか
最後のものは、相手が話しやすく、しかも会社の雰囲気が伝わってきます。
答えの読み取り方
逆質問は、こちらが企業を見極める時間でもあります。
課題を具体的に話せるか。「特に課題はありません」と返ってくる組織は、見えていないか、話す気がないかのどちらかです。
中途入社者の定着について答えられるか。直近の入社者がどうなったかを把握しているかどうかで、受け入れ体制が見えます。
評価基準を説明できるか。曖昧なら、入社後の評価も曖昧になる可能性があります。
回答が抽象的すぎないか。「風通しが良い」「若手も活躍」だけで具体例が出てこないなら、追加で「たとえばどんな場面ですか」と聞いてみてください。
準備は5個、聞くのは2〜3個
面接の流れで答えが出てしまう質問は必ずあります。5個ほど用意しておいて、残ったものから聞く。この形なら、白紙になりません。
メモを見て構いません。「事前に用意してきたので確認させてください」と言えば、むしろ準備してきた印象になります。
聞くことがなくなったら
面接中に全部答えが出てしまったら、こう返せば十分です。
伺いたかった点は面接の中でご説明いただけたので、大丈夫です。 ひとつだけ、◯◯についてもう少し詳しく伺えますか。
「特にありません」で終わるより、面接中に出た話を掘り下げるほうが、聞いていた証拠になります。
「特にありません」と答えたら、どうなるか
「特にございません」「特になしです」と言い方を変えても、面接官の受け取り方は同じです。不採用が決まるわけではありません。逆質問の有無だけで合否が決まる面接は多くないためです。
ただ、面接官の側には「志望度がそこまで高くない」「準備をしてこなかった」という印象が残ります。他の候補者と迷ったときに、その印象が効いてくる。ここが実際の影響です。
その場で何も浮かばなくなったら、こう返せば間が持ちます。「本日伺ったお話で、知りたかったことは一通り伺えました。1点だけ確認させてください。入社までに勉強しておくとよいことはありますか」。聞くことが尽きた事実を認めたうえで、質問を1つ足す形です。
すでに説明された内容を繰り返し聞くのは避けたいので、面接中に「あとで聞こう」と思ったことを手元にメモしておくと、この場面で使えます。
質問リストは、面談で作ると早い
何を聞くべきかは、その企業の内情を知っている人に相談するのが早道です。エージェント経由なら、過去に同じ企業を受けた人の情報を持っていることがあります。
「この会社の面接ではどんな点を見られますか」と聞けば、逆質問の方向も決まります。初回面談の準備と質問リストに、担当者から情報を引き出すための質問をまとめました。
逆質問は、うまいことを言う場ではありません。入社後を具体的に想像していることが伝わればいい。上の例から2〜3個選んで持っていけば、それで足ります。