9月に入って、朝の洗顔後に頬がつっぱる。夕方になると、目もとが粉をふいたように見える。
夏と同じケアを続けていると、たいてい秋の途中でこうなります。気温と湿度が下がり、暖房が入り、肌の状態が変わる時期だからです。
慌ててクリームを買い足す前に、見直す順番があります。
乾く理由は、ひとつじゃない
秋冬に乾燥しやすくなるのは、3つのことが同時に起きるからです。
外の空気の湿度が下がって、肌の水分が奪われやすくなる。暖房を入れると室内の湿度がさらに落ちて、屋外より乾いていることさえある。そして気温が下がると皮脂の分泌が減り、水分の蒸発を抑える膜が薄くなる。
3つ目は季節による生理的な変化なので、生活側では変えられません。だからこそ、環境とケアの両方から手を入れる必要があります。
見直す順番は「引く → 量 → 足す」
一度に全部を変えないでください。何が効いたのか分からなくなります。
まず引く:奪っている工程を探す
意外に思われますが、足すより先です。
熱いお湯は必要な皮脂まで流します。ぬるめに。洗顔でゴシゴシこすっていないか、泡を長時間乗せていないか。クレンジングが、その日のメイクの濃さに対して強すぎないか。拭き取り系を毎日使う必要が本当にあるか。
「乾燥するから保湿を足す」の前に、奪っている工程がないかを確認する。ここで解決してしまう人もいます。
次に量と順序:今あるもので調整する
買い足す前に、手持ちで試せることがあります。
化粧水の量が規定より少なくないか。化粧水のあと、油分を含むアイテムでふたをしているか。目もと・口もと・頬など乾きやすいところに重ね付けしているか。
よくある誤解が「化粧水をたくさん重ねれば潤う」というもの。水分を与えることと、保つことは別の話です。あとから油分でふたをしなければ蒸発していきます。重ねる回数を増やすより、後工程を見直すほうが早い。
それでも足りなければ、1つだけ足す
ここでようやく追加を考えます。乳液やクリームをこっくりしたテクスチャに変える、部分用のアイテムを乾きやすいところにだけ使う、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなど)が入ったものを選ぶ。
足すなら1つずつ。複数を同時に変えると、合わなかったときに原因が分かりません。
肌質別の考え方や成分表示の読み方はスキンケア製品の選び方に、新しい製品を低リスクで試す方法はトライアルセットの使い方にまとめています。
塗るだけでは届かない部分
ここを放置していると、何を使っても追いつきません。
室内の湿度は、一般に40〜60%程度が快適とされ、暖房を使うとこれを下回りやすくなります。体感では分からないので、湿度計を1つ置くのが確実です。数字が見えれば、加湿が要るかどうか判断できます。加湿器を選ぶときは手入れの頻度も見てください。放置すると衛生面の問題が出ます。
入浴は、湯温を上げすぎない、長湯を避ける、上がったら時間を空けずに保湿する。この最後の1つは、簡単なわりに差が出やすいところです。
あとは暖房の風が直接顔に当たらない位置にすること、加湿と換気のバランスを取ること(結露にも注意)、水分をとること。
やりすぎると逆効果になる
乾燥が気になると、あれこれ足したくなります。ただ、同時に複数の新製品を使い始めると原因が特定できません。工程を増やしすぎると続きません。強い成分を自己判断で重ねると刺激が出ることもあります。
新しい製品は、腕の内側で少量ためして様子を見る方法もあります。赤み・かゆみ・ヒリつきが出たら使用を中止してください。
本格的に乾く前に、手持ちを見直しておく
暖房が入ってから慌てると、選ぶ余裕がありません。まだ余裕のあるこの時期に、今のケアで冬を越せるかを確かめておくと、あとが楽です。少量サイズなら金額のリスクも小さく済みます。
こうなったら、製品を変えるより受診を
- かゆみが強く、掻いてしまう
- 粉をふく、ひび割れる、出血する
- 赤みや湿疹が続く
- 市販品を変えても改善しない状態が続く
セルフケアの範囲を超えている可能性があります。乾燥以外の原因が隠れていることもあるので、製品を買い替え続けるより皮膚科を受診したほうが早く解決します。
本記事は一般的な情報であり、診断や治療の代わりになるものではありません。肌の状態に不安があるときは医療機関にご相談ください。