「スマート家電を入れたら電気代が下がった」という話と、「まったく変わらなかった」という話。どちらも本当です。
差がつくのは製品ではなく、使い方のほう。どこに効いて、どこには効かないのかを先に知っておくと、無駄な買い物をせずに済みます。
効くのはエアコン。それ以外は誤差に近い
家庭の電気代のなかで、スマートホーム化が意味を持つ場所は限られています。
| 対策 | 効果 |
|---|---|
| エアコンの運転時間を減らす | 大きい |
| 照明・家電の消し忘れ防止 | 中 |
| 電力量を計測して無駄を特定 | 中 |
| 待機電力のカット | 小 |
| 機器を導入しただけ | なし(むしろ微増) |
最後の行が肝心です。ハブやカメラは常時通電するので、何も工夫しなければわずかに増えます。買っただけでは下がらない、というのはそういう意味です。
エアコンをどう削るか
冷暖房は家庭の消費電力のなかで大きな比率を占めます。ここを削るのが最短距離。
やることは3つに絞れます。外出したら確実にオフにすること。就寝中の運転を室温に応じて止めること。そして「28度を超えたらつける、25度を下回ったら止める」といった室温トリガーを組むこと。温度センサーを内蔵したスマートリモコンなら、これができます。
ひとつ注意があります。こまめに消すのが常に正解とは限りません。エアコンは設定温度に到達するまでが最も電力を使うので、短時間の外出で消して戻ってすぐ付けると、かえって増えることがある。目安としては、30分から1時間程度なら付けっぱなし、数時間以上なら消す。
スマートリモコンがあると、この判断を後追いでできるようになります。「予定が延びたから、今から消す」ができるのは地味に効きます。
なお、エアコンをスマートプラグで制御しようとすると失敗します。通電しても待機状態になるだけで運転を始めない機種が多いためです。
消し忘れは、意志ではなく仕組みで潰す
照明、扇風機、電気毛布、こたつ、加湿器。ひとつずつは小さくても、つけっぱなしが常態化すると効いてきます。
一定時間で自動オフ、就寝時刻にまとめてオフ、外出を検知してオフ、外出先からアプリで一括確認。どれも設定は数分です。
「消したか不安になって家に戻る」という時間の節約にもなります。
まず測る。思い込みはだいたい外れる
対策の前に現状把握です。電力量計測に対応したスマートプラグなら、機器ごとの消費電力を記録できます。
測ってみると、気にしていた機器が月に数十円しか使っていなかったり、逆に意識していなかったものが常時電力を使っていたり。使っていないはずの時間帯に動いていた機器が見つかることもあります。
この機能は全製品にあるわけではないので、電気代の把握が目的なら購入前に対応を確認してください。
待機電力に期待しすぎない
「使っていない家電のプラグを抜けば 電気代が下がる」という話はよく聞きます。ただ、家庭の消費電力に占める待機電力の割合は数%程度とされ、機器1台あたりでは月に数十円規模です。
ゼロではないので、長期間使わない機器を切ること自体は合理的。でも、待機電力の削減を目的にスマートプラグを買うと、元が取れるまでにかなり時間がかかります。優先順位としては、エアコンと消し忘れのほうがずっと上です。
録画予約のあるレコーダー、常時接続が必要なルーター、止めてはいけない冷蔵庫。切ってよい機器かどうかは復電時の挙動も含めて確認してください。
効果が出にくい人もいる
在宅時間が短ければ、そもそも削る余地が小さい。すでに消し忘れがないなら、仕組み化しても改善幅はありません。時間帯別料金のプランなら、削るより「使う時間をずらす」ほうが効きます。
そして機器を増やしすぎたとき。ハブ・カメラ・センサーの常時通電が積み上がると、削った分と相殺されます。節約目的なら、機器は必要な分だけに。
期待値は「エアコンをどれだけ変えられたか」
正直なところ、削減幅はここでほぼ決まります。数十%下がったという話は、もともと消し忘れが多かった家庭のケースだと考えたほうが安全です。
一方で、電気代以外の効果ははっきりしています。消したか不安にならなくなる。帰宅時に部屋が快適になっている。外出先から確認できる。節約は副次的なもの、と考えて導入するほうが、あとで期待値のずれが起きません。
1台入れてみると、その日のうちにわかる
計算して悩むより、エアコンを1台リモコン化してみるほうが早いはずです。数千円で試せて、効果が出るかどうかはその週のうちに見えます。合わなければそこまで。
まとめると、狙うのはエアコンと消し忘れ。待機電力は後回し。そして機器を増やしすぎないこと。この3つを守れば、少なくとも「入れたのに変わらなかった」にはなりません。
目的別の選び分けはスマートプラグ・スマートリモコンの選び方にまとめています。