「無料カウンセリング」のボタンを押す指が止まる。行ったら契約させられるのではないか、断れるのか。

その感覚は正しくて、無料カウンセリングは相談の場であると同時に営業の場です。だから聞く側にも準備がいります。ここでは、契約前にその場で確かめておく7項目と、聞いた答えをどう比べるかを書きます。

独学かスクールかでまだ迷っているなら、先に独学とスクールどっち?を読んでから戻ってきてください。

無料カウンセリングは「面接」だと思って臨む

スクール側はカウンセリングで、受講生になりそうかを見ています。こちらも同じで、この学校に数十万円払う価値があるかを見る場です。

対等に見るために、行く前に3つだけ決めておきます。目的(転職・副業・いまの仕事で使う)、期限(いつまでに何ができていたいか)、上限予算。この3つが決まっていない人は、提案されたコースが妥当かを判断できず、話の流れで契約しがちです。

確かめる7項目

面談中に聞くことを、優先順に並べます。答えが曖昧な項目が2つ以上あれば、その校は保留です。

1. 修了時に「何が作れる」ようになるのか

「Webアプリが作れるようになります」では足りません。認証つきの掲示板か、ECサイトの決済まで含むのか、APIを自分で設計するのか。修了生のポートフォリオを見せてもらうと、到達点が具体的に分かります。見せられないなら、その理由を聞いてください。

2. 質問できる時間帯と、返答までの時間

働きながら学ぶ人は、勉強するのが平日の夜と週末です。質問対応が平日日中だけなら、詰まったまま週末を迎えることになる。「チャットで24時間受付」と「24時間以内に回答」は別物なので、実際に返ってくるまでの目安時間を聞きます。

3. 転職保証・返金保証の条件

保証そのものより、条件の一覧をもらえるかが分かれ目です。年齢、居住地、課題の提出率、紹介企業への応募義務、内定辞退の扱い。口頭で「大丈夫ですよ」と言われた条件は、契約書に書かれていなければ存在しません。

4. 講師は現役の実務経験者か

カリキュラムを作った人と、日々質問に答える人は違うことがあります。質問に答えるメンターが現役のエンジニアなのか、修了生のアルバイトなのか。どちらが悪いという話ではなく、自分が求める深さに合っているかで判断します。

5. 総額と、分割払いの手数料

月額表示の下に、分割回数と手数料率が小さく書かれていることがあります。総額でいくら払うのか、一括と分割の差額はいくらか、途中解約時の精算方法はどうなるのか。この3つは数字で答えてもらってください。

6. 教材はいつ更新されたか

言語やフレームワークは数年で様変わりします。教材の最終更新時期と、更新の頻度を聞くと、運営の姿勢が見えます。「常に最新です」という答えは、具体的な時期が出てこなければ聞き流して構いません。

7. 途中でやめた人の割合と、その理由

聞きにくい質問ですが、ここに正直に答えるスクールは信用できます。挫折率を把握していない、あるいは答えを避けるなら、受講生の学習状況を追いかけていない可能性があります。

「当日申込で割引」は、比較を止めるための仕掛け

面談の終わりに、今日中の申込なら数万円引きと言われることがあります。

割引自体は珍しくありませんが、その割引ありきで考えると他校と比べられなくなります。数十万円の契約を1回の面談で決める必要はないので、持ち帰ると伝えてください。まともなスクールは引き止めません。翌週に消える割引なら、最初から比較の材料に入れないほうが安全です。

2〜3校に同じ質問をして、答えの具体性を比べる

1校だけだと、提案の相場が分かりません。4校以上は面談だけで消耗します。

2〜3校に上の7項目を同じ順番でぶつけて、答えが数字や実物(ポートフォリオ、契約書の条項)で返ってくるかを比べる。それだけで、営業トークの上手さではなく運営の実態で選べます。

聞いたこと具体的な答えの例曖昧な答えの例
修了時の到達点修了生の作品を見せる「実務レベルになれます」
質問の返答時間「平日は2時間以内、週末は翌朝」「いつでも聞けます」
保証の条件条件の一覧を渡す「ほぼ全員が対象です」
総額一括と分割の差額を数字で「月々◯円から」だけ

面談の前に、2週間だけ独学しておく

無料の学習サイトで2週間触ってから面談に行くと、質問の質が変わります。「どこで詰まるか」を体感していると、質問対応の答えが自分に合うかを判断できる。何も触らずに行くと、提案を鵜呑みにするしかありません。

行くと決めたら、上の7項目をメモに書いて持っていくだけで、面談の主導権はこちらに来ます。無料で、断れて、比べられる。それが分かっていれば、ボタンを押す指は止まりません。