「1億曲以上」。音楽サブスクの広告では、まず曲数が目に入ります。

ただ、主要サービスはどこも桁違いに多い。曲数で比べてもほとんど差がつきません。満足度を分けるのは別のところです。

1. よく聴くアーティストが揃っているか

ここが最重要です。全体の曲数が多くても、特定のアーティストやジャンル(アニソン、K-POP、インディーズ、クラシックなど)の充実度はサービスごとに差があります。

契約前に、普段聴くアーティストを3組、各サービスで検索する。この5分を省くと、あとで後悔します。

プレイリストやラジオ機能が自分のジャンルを推してくれるかも、無料期間中に確認しておきましょう。

検索でヒットしても、聴けるとは限らない

紛らわしいのが、名前は出るのに再生できないケースです。いくつか型があります。

カバー版だけが配信されている。本人名義の音源はなく、別アーティストによる演奏が並んでいるパターン。

一部のアルバムだけ配信されている。代表曲が入っていないことも珍しくありません。

期間限定の配信が終わっている。権利契約の更新によって、聴けていた曲が消えることがあります。

だから検索するときは、アーティスト名だけでなく聴きたい曲名まで打ち込んで、再生ボタンが押せるところまで確かめる。ここまでやって初めて確認したことになります。

未配信は「そのサービスが悪い」わけではない

配信の可否はレーベルとの契約で決まるため、サービス側の努力だけでは埋まりません。特定のアーティストを追いかけているなら、そのアーティストが配信されているサービスを選ぶ、という順番になります。

2. プラン構成で年間の支出が変わる

同じサービスでも、選ぶプランで金額が大きく変わります。

プラン向いている人
個人プラン標準。まずはここが基準
ファミリープラン家族2人以上なら大抵こちらが割安
学割プラン学生なら最優先で確認。大幅に安いことが多い
年額プラン長く使うと決めたら月払いよりお得な場合がある
無料プラン(広告つき)曲順再生やスキップに制限あり。お試しには十分

家族で音楽を聴く習慣があるなら、ファミリープランの有無を見るほうが、個人プラン同士を比べるより効きます。学生なら学割の確認が最優先です。

3. 音質は「環境が揃っているか」とセット

通勤中にワイヤレスイヤホンで聴くのが中心なら、標準的な音質設定で実用上の不満はまず出ません。

高音質(ロスレス・ハイレゾ相当)にこだわるなら、サービスが対応しているかに加えて、再生環境(対応イヤホン・DACなど)が揃っているかも条件になります。サービスだけ対応していても、環境がなければ差は体感しにくい。

そして高音質ストリーミングは通信量も増えます。ギガ残量が気になるならダウンロード再生を基本にしてください。

4. 毎日の使い勝手(差がつくのはここ)

毎日使うものなので、細かいところが効いてきます。無料トライアル中にこのあたりを確かめてください。

レコメンドの精度。自分の好みに合う曲を提案してくれるか。歌詞表示(カラオケ好きなら重要度が上がります)。オフライン再生のダウンロード操作が面倒でないか。スマートスピーカーやカーナビとの連携。プレイリストの作りやすさと共有のしやすさ。

同時に再生できる台数

見落とされやすい制約です。個人プランは1台までというのが一般的で、スマホで聴きながら家族がスピーカーで流すと、どちらかが止まります。

1つのアカウントを家族で使い回す前提なら、この時点でファミリープランが必要になります。人数で割ると個人プランより安くなることが多いので、損な選択でもありません。

支払い方法で金額が変わることがある

スマホのアプリ内課金から申し込むと、公式サイトで直接契約するより月額が高くなる場合があります。アプリストアの手数料が上乗せされるためです。

数百円の差でも年間では効きます。申し込む直前に、公式サイト側の価格も見てください。

5. 乗り換えには手間がかかる

音楽サブスクは長く使うほど、プレイリストや「お気に入り」が資産として貯まります。乗り換え時にこれをゼロから作り直すのは、かなりの負担です。

移行を補助する外部ツールもありますが、完全に移行できるとは限りません。

だからこそ、最初の1つを決めるときに無料期間でしっかり比較する価値があります。あとから変えるほうが大変なんです。

解約したあと、何が残るのか

やめるときの扱いも知っておくと、試すハードルが下がります。

オフライン保存した曲は聴けなくなります。端末に入っているように見えても、再生には契約が必要です。

作ったプレイリストとお気に入りはアカウントに残るのが一般的で、再契約すれば元に戻ります。ただし保証された仕様ではないため、大事なものは曲名を控えておくと安全です。

無料トライアルは、過去に使ったことのあるアカウントだと対象外になります。「解約してしばらく空けてから、また無料で」は基本的にできません。

無料期間で確かめるのは2つだけ

アーティスト3組の検索と、毎日の使い勝手。この2つが確認できれば、判断はつきます。

逆に言うと、曲数・音質のスペック比較にかけた時間は、ほとんど結果を変えません。自分の再生履歴に近いものを実際に鳴らしてみるほうが早い。

料金・プラン・対応機能は変更されることがあるので、登録前に公式サイトで最新情報を確認してください。トライアルを使うなら、解約期限をカレンダーに登録してから登録するのを忘れずに。

契約が増えてきたらサブスクの見直し方もどうぞ。