レビューで絶賛されていたイヤホンが、自分の耳には合わなかった。
数千円なら諦めもつきますが、2万円3万円となると重い。イヤホンは個人差が大きい製品なので、文字情報だけで決めると外しやすいんです。
試聴で分かること
いちばん大きいのは装着感です。耳の形は人によってかなり違うので、レビューの「つけ心地が良い」が自分に当てはまるとは限りません。
イヤーピースのサイズが合うか。少し動いて落ちないか。カナル型の圧迫感が許容範囲か。これは実際につけないと分かりません。
音の好みも、文章を10本読むより30秒聴くほうが早い。低音の量感、ボーカルの距離感、高音の刺さり方。「解像度が高い」といった言葉が、自分にとって好ましいかどうかは別問題です。
あとは操作性。タッチ操作の感度、物理ボタンの押しやすさ、ケースの開けやすさ。毎日触る部分なので、地味に効いてきます。
試聴で分からないこと
一方で、数分の試聴では判断できないこともあります。
長時間つけたときの疲れ。1時間、2時間つけ続けたときに痛くならないか。通勤電車での実際の遮音性(店内は静かなので効き方が違います)。接続の安定性。バッテリーの持ち。
ここは口コミで補ってください。とくに「装着感」と「接続の安定性」への言及を探すと参考になります。
ノイズキャンセリングの効き方は場所で変わる
店内で試すと「あまり効かない」と感じることがあります。もともと静かな場所では、消すべき音が少ないためです。
この機能が本領を発揮するのは、電車や飛行機のような低い連続音のある環境。逆に人の話し声のような不規則な音は残ります。試聴で判断しきれない代表格なので、ここは使用者のレビューを頼ったほうが確実です。
耳が痛くなるかは時間の関数
30秒の試着で痛ければ論外ですが、痛くなくても2時間後は分かりません。カナル型は耳道への圧、インナーイヤー型は耳の縁への当たりで、それぞれ違う疲れ方をします。
過去に長時間つけて痛くなったイヤホンがあるなら、その形状を思い出しておくと選択の幅を絞れます。
試聴のやり方
普段のスマホと、聴き慣れた曲を持っていく。同じ音源で聴き比べないと差が分かりません。店舗によって接続方法が違うので、事前に確認しておくと確実です。
候補を2〜3機種に絞ってから行く。全部聴こうとすると耳が疲れて、判断が鈍ります。選び方の5つのポイントで用途と装着タイプを決めておけば、候補は自然と絞れます。
同じ曲で聴き比べる。1機種ずつ違う曲を聴いても比較になりません。
装着したまま少し動く。首を振る、歩く。落ちやすさはここで分かります。
音量は揃えて聴く
うっかりやりがちなのが、音量の違う状態で比べることです。人は大きい音のほうを「良い音」と感じやすいので、これだけで判断が歪みます。
再生音量を同じにしてから聴き比べる。地味ですが、差が正しく出るかどうかを分ける手順です。
耳が慣れる前に決める
聴き比べを続けると耳が疲れ、差が分からなくなります。3機種を超えたあたりから精度が落ちるので、迷ったら一度外して休むか、日を改めるほうが確実です。
通販で買うときのリスクの下げ方
近くに試聴できる店がない、時間が取れない。その場合でも、外す確率は下げられます。
装着タイプを経験から絞る。過去に有線イヤホンで耳が痛くなったなら、同じタイプは避ける。これだけで失敗の多くを回避できます。
返品条件を先に確認する。開封後の返品可否は販売店によって違います。
イヤーピースの付属サイズを見る。S/M/Lが揃っていれば、合わせられる余地が広がります。
評価の点数より、コメントの中身を読む。「耳が小さい人には大きい」といった具体的な記述のほうが、星の数より役に立ちます。
型落ちを選ぶという手もある
新型が出ると、前モデルの価格が下がります。世代が1つ違っても、装着感や音の傾向は大きく変わらないことが多い。
新機能に用がないなら、価格が落ちた前モデルは合理的な選択肢です。ただし在庫限りになりやすいので、イヤーピースなど消耗品の供給が続くかは確認しておくといいでしょう。
専門店を使うと、相談もできる
家電量販店の一角より、イヤホン専門店のほうが試聴機の数が多く、スタッフに相談もできます。
「予算いくらで、通勤電車で使いたい」と伝えれば、候補を絞ってもらえる。片側だけ紛失したときの交換対応や、修理の相談ができる店もあります。片方だけ聞こえなくなったときに、片側交換の可否が選定基準になるという話を書きましたが、そういう相談も店頭ならその場でできます。
価格帯で判断が変わる
数千円のものなら、試聴の手間より買って試すほうが早いこともあります。合わなければサブに回せばいい。
金額が上がるほど、試聴の価値も上がります。2万円を超えるなら、一度耳に当ててから決めるほうが結果的に安く済みます。
要するに、装着感と音の好みは実物でしか分からない。そこだけ確かめられれば、あとはスペック表とレビューで足ります。